クリエイティブ社員の性格には、どのような特徴があるのでしょうか。
新しいアイデアを生み出し、イノベーションを起こすクリエイティブな人材は、現代の組織にとって欠かせない存在です。
しかし、クリエイティブな人の性格は、一般的な社員とは少し違った特徴を持っているようです。
また、「学習目標志向性」という概念も、クリエイティブ社員の性格を理解する上で重要だと考えられています。
この記事では、「Big Five Personality and Creativity: The Moderating Effect of Motivational Goal Orientation」という研究を参考にし、性格と学習目標志向性の観点から、クリエイティブ社員の性格的特徴を探っていきます。
また、クリエイティブな人材を組織で活かすためのヒントも紹介します。
これからの時代に求められる人材の特性を理解し、組織の創造性を高めるための手がかりを見つけていきましょう。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
クリエイティブ社員の性格を探る:ビッグファイブ性格診断とは
ビッグファイブ性格診断の5つの性格特性
ビッグファイブ性格診断は、人の性格を5つの特性に分類します。
この5つの特性は、以下の通りです。
- 開放性:新しい経験や考えに対する興味や関心の度合い
- 誠実性:計画性、責任感、勤勉さなどの度合い
- 外向性:社交性、積極性、活発さなどの度合い
- 協調性:思いやり、優しさ、協力的態度などの度合い
- 神経症傾向:不安、心配、感情の不安定さなどの度合い
これらの特性は、遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されると考えられています。
また、各特性は連続体であり、高い人もいれば低い人もいます。
ビッグファイブ性格診断は、性格を多面的に捉えることができる優れた理論です。
この理論を使うことで、クリエイティブ社員の性格的特徴を探ることができるでしょう。
開放性:新しいアイデアを受け入れやすい性格
開放性の高い人は、新しい経験やアイデアに対して前向きで好奇心旺盛です。
このような性格の人は、以下のような特徴があります。
- 想像力が豊か
- 柔軟な思考を持っている
- 慣習にとらわれない
- 美的感受性が高い
- 知的好奇心が強い
一方、開放性の低い人は、慣れ親しんだ環境や考え方を好む傾向にあります。
また、変化を嫌い、伝統的な価値観を大切にする傾向もあります。
クリエイティブな仕事では、新しいアイデアを生み出すことが求められます。
そのため、開放性の高さは、クリエイティブ社員の性格のなかで重要なものの一つと言えるでしょう。
開放性の高い人は、既存の枠にとらわれず、自由な発想でアイデアを生み出すことができます。
誠実性:几帳面で規律正しい性格
誠実性の高い人は、計画性があり、規律正しく、勤勉です。
このような性格の人は、以下のような特徴があります。
- 物事を計画的に進める
- 期日を守るなど、時間管理が得意
- 整理整頓が好き
- ルールや手順を重視する
- 努力を惜しまない
一方、誠実性の低い人は、あまり計画を立てずに行動する傾向があります。
また、衝動的であったり、怠惰であったりする傾向もあります。
クリエイティブな仕事では、自由な発想が求められる一方で、締め切りを守ることも大切です。
そのため、誠実性の高さは、クリエイティブ社員の性格のなかで重要なものの一つと言えます。
誠実性の高い人は、自由な発想を生かしつつ、計画的に仕事を進めることができるでしょう。
外向性:社交的で積極的な性格
外向性の高い人は、社交的で積極的、活発な性格です。
このような性格の人は、以下のような特徴があります。
- 人と交流するのが好き
- パーティーや集まりを楽しむ
- 自己主張が得意
- リーダーシップを発揮しやすい
- エネルギッシュで活動的
一方、外向性の低い人(内向的な人)は、一人の時間を好む傾向があります。
また、人前に出るのを苦手に感じたり、慎重で控えめだったりする傾向もあります。
クリエイティブな仕事では、自分のアイデアを他者に伝え、協力を得ることが重要です。
そのため、外向性の高さは、クリエイティブ社員の性格として好ましい特性の一つと言えます。
外向性の高い人は、自分のアイデアを積極的に主張し、他者を巻き込んでいくことができるでしょう。
協調性:思いやりがあり協力的な性格
協調性の高い人は、思いやりがあり、優しく、協力的な性格です。
このような性格の人は、以下のような特徴があります。
- 他者の気持ちを理解しようとする
- 人助けをするのが好き
- チームワークを大切にする
- 争いごとを避ける傾向がある
- 人当たりが良い
一方、協調性の低い人は、自己中心的で、他者への関心が薄い傾向があります。
また、競争心が強く、自分の意見を押し通そうとする傾向もあります。
クリエイティブな仕事では、チームで協力することが求められる場面が多くあります。
そのため、協調性の高さは、クリエイティブ社員にとって大切な性格特性の一つと言えます。
協調性の高い人は、他者の意見を尊重しながら、円滑にチームワークを発揮できるでしょう。
神経症傾向:不安や心配が多い性格
神経症傾向の高い人は、不安や心配が多く、感情が不安定になりやすい性格です。
このような性格の人は、以下のような特徴があります。
- ストレスを感じやすい
- 悲観的になりがち
- 自信が持てないことが多い
- 完璧主義の傾向がある
- 気分の浮き沈みが激しい
一方、神経症傾向の低い人は、リラックスしていて、楽観的な傾向があります。
また、自信があり、ストレスに強い傾向もあります。
クリエイティブな仕事では、新しいことへの挑戦が求められるため、ストレスを感じる場面も多いでしょう。
そのため、神経症傾向の高さは、クリエイティブ社員にとってはマイナスの性格特性と言えるかもしれません。
ただし、神経症傾向の高い人も、自分なりのストレス対処法を身につけることで、クリエイティブな仕事で力を発揮できる可能性があります。
クリエイティブ社員の性格と創造性の関係
クリエイティブ社員の性格①:開放性の高さが創造性のカギ
開放性の高い人は、創造性が高い傾向にあります。
これは、以下のような理由が考えられます。
- 新しいアイデアを受け入れやすい
- 好奇心が旺盛で、様々なことに興味を持つ
- 既存の枠にとらわれない柔軟な発想ができる
- 美的感覚が鋭く、斬新なデザインを生み出せる
- 知的好奇心が高く、問題解決に積極的に取り組める
実際に、多くの研究で、開放性と創造性の間に正の相関があることが示されています。
また、芸術家や発明家など、創造性を発揮する職業の人々は、開放性が高い傾向にあります。
一方で、開放性が高すぎると、現実離れしたアイデアを追求しすぎてしまう可能性もあります。
バランスが大切だと言えるでしょう。
創造性を高めたい人は、日頃から新しいことに挑戦し、好奇心を持って様々なことに取り組むことが大切です。
そうすることで、開放性を高め、創造性を育むことができるでしょう。
クリエイティブ社員の性格②:外向的な人と内向的な人、どちらがより創造的?
外向的な人と内向的な人では、創造性の現れ方が異なります。
外向的な人の創造性は、以下のような特徴があります。
- アイデアを積極的に発言し、他者と共有する
- 他者からの刺激を受けて、新しいアイデアを生み出す
- 協力してアイデアを膨らませ、実現していく
- エネルギッシュに行動し、アイデアを具体化する
- 人脈を生かして、アイデアを広めていく
一方、内向的な人の創造性は、以下のような特徴があります。
- 一人で深く考え、アイデアを練り上げる
- 自分の内面から湧き出るアイデアを大切にする
- 静かな環境で集中して作業に取り組む
- 独自の世界観を持ち、それを表現する
- アイデアを形にするのに時間をかける
このように、外向的な人と内向的な人では、創造性の現れ方が異なりますが、どちらも創造性を発揮することができます。
大切なのは、自分の性格特性を理解し、それを生かした創造的な活動を行うことです。
外向的な人は、他者との交流を通じて創造性を高め、内向的な人は、自分の内面と向き合うことで創造性を深めていくことができるでしょう。
クリエイティブ社員の性格③:協調性の高さは創造性の障害になる可能性
協調性の高さは、創造性を妨げる可能性があります。
これは、以下のような理由が考えられます。
- 他者の意見に合わせようとするあまり、自分のアイデアを抑えてしまう
- 既存の枠組みや常識を重視し、斬新なアイデアを出しにくい
- チームのハーモニーを乱すことを恐れ、問題提起をためらう
- 人間関係を優先するあまり、独創的な発想ができない
- 周囲の評価を気にするあまり、冒険的なアイデアを出せない
実際に、協調性の高い人は、グループ内での調和を重視するあまり、創造的なアイデアを抑制してしまう傾向があることが研究で示されています。
また、協調性の高い文化では、個人の独創性よりも集団の和を尊重する傾向があり、創造性が発揮されにくいと指摘されています。
ただし、協調性が低すぎると、チームワークが取れなくなり、かえって創造性が妨げられる可能性もあります。
適度な協調性は必要でしょう。
創造性を高めたい人は、自分の意見を尊重しつつ、他者の意見にも耳を傾ける姿勢が大切です。
そうすることで、協調性と創造性のバランスを保つことができるでしょう。
クリエイティブ社員の性格④:誠実性が創造性に与える意外な影響
誠実性と神経症傾向は、創造性に意外な影響を与えることがあります。
誠実性の高い人は、以下のような特徴から、創造性を発揮しにくいと考えられがちです。
- ルールや決まりごとを重視し、枠から外れたアイデアを出しにくい
- 計画通りに物事を進めようとするあまり、柔軟な発想ができない
- 失敗を恐れるあまり、斬新なアイデアを試すことをためらう
- 細部にこだわるあまり、全体的な創造性が損なわれる
- 慎重すぎて、スピード感を持ってアイデアを実現できない
しかし、誠実性の高い人は、以下のような点で創造性を発揮できる可能性もあります。
- 問題点を細かく分析し、着実に解決策を見出せる
- 丁寧に作業を進め、質の高いアウトプットを生み出せる
- 困難な課題にも諦めずに取り組み、新しい発見を得られる
- 倫理観を持ってアイデアを吟味し、社会的に意義のある創造ができる
クリエイティブ社員の性格⑤:神経症傾向が創造性に与える意外な影響
一方、神経症傾向の高い人は、以下のような特徴から、創造性が高いと考えられがちです。
- 繊細な感受性を持ち、独特の発想ができる
- 強いこだわりを持ち、没頭して新しいことを生み出せる
- 内面の葛藤から生まれるアイデアを表現できる
- 不安や緊張を糧にして、創造的なエネルギーを生み出せる
しかし、神経症傾向が高すぎると、以下のような点で創造性が妨げられる可能性もあります。
- ストレスから逃避するため、創造的な活動を避けてしまう
- 完璧主義から抜け出せず、アイデアを形にできない
- 自信のなさから、斬新なアイデアを提案できない
- ネガティブな感情に支配され、創造的な思考ができない
誠実性と神経症傾向は、一見すると創造性と相反する特性のようですが、バランスが大切だと言えます。
適度な誠実性と神経症傾向を持つことで、創造性を高めることができるでしょう。
ビッグファイブ性格診断だけでは創造性を十分に説明できない
ビッグファイブ性格診断は、創造性を理解する上で重要な手がかりを与えてくれますが、それだけでは創造性を十分に説明できません。
その理由は、以下のような点が考えられます。
- 創造性は、性格以外の要因(知能、環境、動機づけなど)の影響も受ける
- ビッグファイブの5つの特性は、創造性に関連する全ての性格要素をカバーしていない
- 創造性は、状況や分野によって異なる性格特性が求められる
- ビッグファイブの特性は、創造性の一部の側面しか説明できない
- 創造性は、性格特性の組み合わせや相互作用によって発揮される
さらに、性格以外の要因も考慮に入れる必要があるでしょう。
ビッグファイブ性格診断は、創造性を理解する上で有用なツールですが、それだけですべてを説明することはできません。
多面的な視点から創造性を捉えることが大切だと言えるでしょう。
学習目標志向性:クリエイティブ社員の性格に欠かせない要素
学習目標志向性とは何か
新しい知識やスキルの獲得、能力の向上に重点を置く傾向のことを指します。
学習目標志向性の高い人は、以下のような特徴があります。
- 失敗を恐れずに新しいことに挑戦する
- 困難な課題を学びの機会ととらえる
- フィードバックを積極的に求め、自己成長に役立てる
- プロセスを重視し、粘り強く取り組む
- 自分の能力を伸ばすことに喜びを感じる
一方、学習目標志向性の低い人は、以下のような傾向があります。
- 失敗を恐れ、挑戦を避ける
- 簡単にできることを好む
- フィードバックを脅威ととらえ、防衛的になる
- 結果を重視し、すぐに諦めてしまう
- 自分の能力は変えられないと考える
学習目標志向性は、心理学者のドゥエックによって提唱された概念です。
ドゥエックは、学習目標志向性を持つ人は、「成長マインドセット」を持っていると説明しています。
成長マインドセットとは、能力は努力によって伸ばすことができるという考え方のことです。
学習目標志向性は、創造性を高める上で重要な要素だと考えられています。
新しいことを学び、挑戦し続ける姿勢は、クリエイティブな発想を生み出すために欠かせないからです。
学習目標志向性の高い人の特徴
この傾向の強い人は、以下のような特徴を持っています。
- 失敗を恐れない
- 失敗をネガティブなことではなく、学びの機会ととらえる
- 失敗から教訓を得て、次の挑戦に生かそうとする
- 困難な課題に積極的に取り組む
- 困難な課題ほど、達成感が大きいと考える
- 困難な課題から多くを学べると信じている
- フィードバックを歓迎する
- 他者からの助言やアドバイスを素直に受け止める
- フィードバックを自己成長のための大切な情報と捉える
- プロセス重視
- 結果だけでなく、プロセスにも価値を見出す
- 努力を続けることで、必ず成長できると信じている
- 学ぶことを楽しむ
- 常に新しいことを吸収したいと思っている
- 知識やスキルを身につける過程に喜びを感じる
学習目標志向性の高い人は、自ら学ぼうとする意欲を持っています。
そのため、失敗や困難にぶつかっても、諦めずに乗り越えようとします。
また、他者からのフィードバックを積極的に求め、自己成長に役立てようとします。
結果よりもプロセスを大切にし、継続的に努力することで、着実に能力を高めていくことができるのです。
学習目標志向性は、生涯にわたって成長し続けるための原動力になります。
クリエイティブな仕事に携わる人にとって、学習目標志向性を高めることは特に重要だと言えるでしょう。
パフォーマンス目標志向性との違い
パフォーマンス目標志向性は、学習目標志向性とは対照的な考え方です。
この傾向の強い人は、以下のような特徴があります。
- 他者からの評価を気にする
- 失敗を恐れ、リスクを避ける傾向にある
- 結果を重視し、プロセスをおろそかにしがち
- 自分の能力は変えられないと考える
- 他者との比較で優越感を得ようとする
一方、学習目標志向性の高い人は、以下のような特徴があります。
- 自分の成長に重点を置く
- 失敗を恐れず、挑戦を続ける
- プロセスを大切にし、努力を惜しまない
- 能力は向上できると信じている
- 他者から学ぼうとする姿勢を持っている
パフォーマンス目標志向性の高い人は、他者からの評価を気にするあまり、失敗を恐れ、リスクを避けようとします。
そのため、新しいことに挑戦したり、創造的なアイデアを出したりすることが難しくなります。
また、結果ばかりを重視するため、プロセスを大切にしない傾向があります。
一方、学習目標志向性の高い人は、自分の成長のために努力を惜しみません。
失敗を恐れずに挑戦し、プロセスを大切にすることで、創造性を発揮することができるのです。
学習目標志向性が創造性を高める理由
学習目標志向性は、創造性を高めるために重要な役割を果たします。
その理由は、以下のような点が考えられます。
- 新しいことへの挑戦を促進する
- 学習目標志向性の高い人は、新しいことを学ぶことに積極的
- 未知のことにも臆することなく、挑戦し続ける
- 失敗を恐れずに実験できる
- 失敗を学びの機会ととらえ、恐れずに試行錯誤できる
- 失敗から得た教訓を次の創造的な試みに生かせる
- 多様な知識やスキルを身につけられる
- 常に学ぼうとする姿勢から、幅広い知識やスキルを習得できる
- 異なる分野の知識を組み合わせ、新しいアイデアを生み出せる
- 固定概念にとらわれない
- 既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想ができる
- 常識にとらわれない斬新なアイデアを出せる
- 粘り強く取り組める
- 困難な課題にぶつかっても、諦めずに挑戦し続けられる
- 創造的なアイデアを形にするまで、粘り強く努力できる
学習目標志向性の高い人は、常に学ぼうとする意欲を持っているため、新しいことにも積極的に取り組みます。
失敗を恐れずに実験を繰り返すことで、創造的なアイデアを生み出すことができるのです。
また、多様な知識やスキルを身につけることで、既存の枠組みにとらわれない発想ができるようになります。
困難な課題にぶつかっても、粘り強く取り組み続けることができるのも、学習目標志向性の高さゆえだと言えるでしょう。
創造性を高めるためには、学習目標志向性を持つことが不可欠です。
クリエイティブ社員に必要な学習目標志向性
クリエイティブな仕事に携わる社員にとって、学習目標志向性は欠かせない要素です。
その理由は、以下のような点が挙げられます。
- 新しいアイデアを生み出すため
- クリエイティブな仕事では、常に新しいアイデアが求められる
- 学習目標志向性の高さは、新しいアイデアを生み出すために重要
- 変化に適応するため
- 技術の進歩やトレンドの変化が速いクリエイティブ業界では、変化への適応力が求められる
- 学習目標志向性の高い人は、変化を学びの機会ととらえ、柔軟に適応できる
- 高度なスキルを身につけるため
- クリエイティブな仕事では、高度な専門スキルが必要とされる
- 学習目標志向性の高い人は、常に学ぼうとする姿勢を持ち、高度なスキルを身につけられる
- チームでの創造性を高めるため
- クリエイティブな仕事では、チームでアイデアを出し合うことが多い
- 学習目標志向性の高い人は、他者から学ぼうとする姿勢を持ち、チームの創造性を高められる
- 困難な課題に立ち向かうため
- クリエイティブな仕事では、困難な課題に直面することが多い
- 学習目標志向性の高い人は、困難な課題にも粘り強く取り組み、乗り越えていける
クリエイティブ社員にとって、学習目標志向性は、新しいアイデアを生み出し、変化に適応し、高度なスキルを身につけるために欠かせません。
また、チームでの創造性を高め、困難な課題に立ち向かうためにも、学習目標志向性が重要な役割を果たします。
クリエイティブ社員の性格:ビッグファイブと学習目標志向性の組み合わせが重要
開放性が高ければ学習目標志向性の有無は関係ない
ビッグファイブの中でも特に開放性は、創造性と強い関連があることが分かっています。
興味深いことに、開放性が高い人の創造性は、学習目標志向性の高さとは関係がないようです。
つまり、以下のようなことが言えます。
- 開放性の高い人は、学習目標志向性が高くても低くても、創造性を発揮できる
- 開放性が創造性に与える影響は、学習目標志向性よりも強い
- 開放性の高さが創造性を十分に説明できるため、学習目標志向性を考慮する必要がない
開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 新しいアイデアや経験に対して好奇心や興味を持つ
- 既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想ができる
- 美的感受性が高く、芸術的な感性を持っている
- 抽象的な概念を理解し、深く考えることができる
これらの特徴は、創造性を発揮するために重要な要素だと考えられています。
開放性の高い人は、新しいことを積極的に学ぼうとする姿勢を持っているため、学習目標志向性が高くなくても、自然と創造性を発揮できるのかもしれません。
また、開放性の高さが創造性に与える影響が非常に強いため、学習目標志向性の影響が相対的に小さくなっているとも考えられます。
外向的な人は学習目標志向性が高いとよりクリエイティブに
外向性と学習目標志向性の組み合わせは、創造性に興味深い影響を与えます。
研究によると、以下のようなことが分かっています。
- 外向的な人は、学習目標志向性が高いとより創造的になる
- 外向性と学習目標志向性の相乗効果によって、創造性が高まる
- 外向的な人は、学習目標志向性が低いと創造性が発揮されにくい
外向的な人は、以下のような特徴を持っています。
- 社交的で、人と交流するのが好き
- 積極的に自己主張し、アイデアを共有する
- 刺激を求め、新しいことに挑戦するのが好き
- エネルギッシュで、行動力がある
これらの特徴は、学習目標志向性と相性が良いと考えられます。
学習目標志向性の高い外向的な人は、以下のようなことができるでしょう。
- 他者との交流から新しいアイデアを得る
- 失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、学ぶ
- 自分のアイデアを積極的に共有し、フィードバックを得る
- 困難な課題にエネルギッシュに取り組む
外向性と学習目標志向性の相乗効果によって、創造性が高まるのです。
クリエイティブな仕事に就く外向的な人は、学習目標志向性を高めることが特に重要だと言えるでしょう。
学習目標志向性を高めることで、外向性の強みを活かしつつ、創造性を最大限に発揮できるようになるはずです。
内向的な人は学習目標志向性が低い方が創造的
内向的な人の創造性は、学習目標志向性の高さによって異なる影響を受けます。
研究によると、以下のようなことが分かっています。
- 内向的な人は、学習目標志向性が低い方が創造的になる傾向がある
- 内向的な人にとって、学習目標志向性の高さは創造性を妨げる可能性がある
- 内向性と学習目標志向性の組み合わせは、創造性に複雑な影響を与える
内向的な人は、以下のような特徴を持っています。
- 一人で過ごす時間を好む
- 自分の内面世界を大切にする
- 慎重に考えてから行動する
- 人付き合いや社交的な活動を苦手に感じる
これらの特徴は、学習目標志向性とは相性があまり良くないかもしれません。
一方、学習目標志向性が低い内向的な人は、以下のようなことができるかもしれません。
- 一人で深く考え、独自のアイデアを生み出す
- 自分の内面世界を探求し、創造的なインスピレーションを得る
- 慎重に考えることで、アイデアを洗練させる
- 人付き合いのストレスから解放され、集中して取り組める
内向性と学習目標志向性の低さが組み合わさることで、創造性が発揮されやすくなるのです。
クリエイティブな仕事に就く内向的な人は、自分に合ったバランスを見つけることが大切です。
学習目標志向性を高めすぎず、内向性の強みを活かしながら、創造性を発揮できる方法を模索することが重要だと言えるでしょう。
誠実性の低い人は学習目標志向性が高いと創造的に
誠実性と学習目標志向性の組み合わせは、創造性に興味深い影響を与えます。
研究によると、以下のようなことが分かっています。
- 誠実性の低い人は、学習目標志向性が高いと創造的になる傾向がある
- 誠実性の高い人は、学習目標志向性の高さに関わらず、創造性が発揮されにくい
- 誠実性と学習目標志向性の組み合わせは、創造性に複雑な影響を与える
誠実性の低い人は、以下のような特徴を持っています。
- ルールや決まりごとにとらわれない
- 衝動的で、思いつきで行動することがある
- 変化を好み、新しいことに挑戦するのが好き
- 詳細よりも全体像を重視する
これらの特徴は、学習目標志向性と相性が良いと考えられます。
一方、誠実性が高い人は、以下のような傾向があるかもしれません。
- ルールや決まりごとを重視し、既存の枠組みから抜け出せない
- 失敗を恐れて、新しいことに挑戦しにくい
- 詳細にこだわりすぎて、全体像が見えなくなる
- 変化を嫌い、慣れ親しんだ方法に固執する
誠実性の高さが、創造性を妨げる要因になっている可能性があります。
学習目標志向性が高くても、誠実性の高さが創造性の発揮を阻害してしまうのかもしれません。
クリエイティブ社員の性格を理解し、組織で活かすためのヒント
クリエイティブな人材を見抜くポイント
ビッグファイブ性格特性と学習目標志向性に着目することがクリエイティブ社員の性格を見抜くには重要です。
以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 開放性の高さをチェックする
- 新しいアイデアや経験に対して好奇心や興味を示すか
- 既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想ができるか
- 美的感受性や芸術的な感性を持っているか
- 外向性と学習目標志向性の組み合わせを見る
- 社交的で、人と交流するのが好きか
- 失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、学ぼうとするか
- 自分のアイデアを積極的に共有し、フィードバックを求めるか
- 内向性と学習目標志向性のバランスを考える
- 一人で深く考え、独自のアイデアを生み出せるか
- 自分の内面世界を大切にしながら、創造的な活動ができるか
- 学ぶことへのプレッシャーに押しつぶされていないか
- 誠実性の低さと学習目標志向性の高さの組み合わせに注目する
- ルールや既存の枠組みにとらわれず、新しいアイデアを出せるか
- 失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、学ぼうとするか
- 全体像を捉えながら、創造的な発想ができるか
これらのポイントを押さえることで、クリエイティブな人材を見抜くことができるでしょう。
学習目標志向性を高める職場環境づくり
クリエイティブ社員の創造性を最大限に引き出すためには、学習目標志向性を高める職場環境づくりが欠かせません。
以下のような取り組みが効果的だと考えられます。
- 失敗を許容する文化を作る
- 失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気を作る
- 失敗から学ぶことを奨励し、失敗を否定的に捉えない
- 小さな失敗を積み重ねながら、大きな成功につなげる
- 学びを奨励する仕組みを作る
- 社内外の研修やセミナーへの参加を奨励する
- 自主的な学習を支援する制度を整える
- 学んだことを共有し、議論する場を設ける
- フィードバックを積極的に行う
- 上司や同僚からの建設的なフィードバックを推奨する
- フィードバックを通じて、強みと弱みを理解し、成長につなげる
- フィードバックを前向きに捉える文化を作る
- プロセスを重視する評価制度を作る
- 結果だけでなく、プロセスにも着目して評価する
- 努力や挑戦を評価し、長期的な成長を促す
- 個人の成長を可視化し、モチベーションにつなげる
- 心理的安全性を確保する
- 自分の意見を言いやすい雰囲気を作る
- 多様な意見を尊重し、受け入れる姿勢を示す
- ミスやエラーを報告しやすい環境を整える
これらの取り組みを通じて、学習目標志向性を高める職場環境を作ることができるでしょう。
クリエイティブ社員のモチベーションを維持する方法
クリエイティブ社員のモチベーションを維持するためには、以下のような方法が効果的だと考えられます。
- 自律性を尊重する
- 仕事の進め方や時間配分を、ある程度自分で決められるようにする
- 上司が細かく指示するのではなく、社員の自主性を信頼する
- 自律性が高いほど、内発的動機づけが高まり、創造性が発揮される
- 挑戦的な仕事を与える
- 社員の能力に合った、やりがいのある仕事を任せる
- 困難な課題にも挑戦できる機会を提供する
- 挑戦的な仕事は、社員の成長意欲を刺激し、モチベーションを高める
- 適切な報酬を与える
- 成果に見合った報酬を提供する
- 金銭的な報酬だけでなく、表彰や昇進など、様々な形の報酬を用意する
- 適切な報酬は、社員のやる気を引き出し、創造的な活動を促進する
- 意味のある仕事を任せる
- 社会や顧客に価値を提供できる、意義のある仕事を任せる
- 仕事の意義や目的を明確に伝え、社員の共感を得る
- 意味のある仕事は、社員のプライドやコミットメントを高める
- 創造的な環境を整える
- アイデアを自由に発想できる、創造的な雰囲気を作る
- 多様なアイデアを受け入れ、議論できる場を設ける
- 創造的な環境は、社員の創造力を刺激し、イノベーションを生み出す
これらの方法を組み合わせることで、クリエイティブ社員のモチベーションを維持することができるでしょう。
多様性を尊重し、個性を活かすマネジメント
クリエイティブな組織を作るためには、多様性を尊重し、個性を活かすマネジメントが欠かせません。
以下のようなポイントを押さえることが大切です。
- 多様なバックグラウンドを持つ人材を採用する
- 性別、年齢、国籍、専門分野など、多様な背景を持つ人材を集める
- 多様な視点や発想を取り入れることで、創造性を高める
- 画一的な人材ではなく、個性豊かな人材を採用する
- 個人の強みを見極め、適材適所で配置する
- 一人ひとりの強みや特性を見極める
- 個人の強みを最大限に発揮できる役割や仕事を与える
- 個人の強みを組み合わせ、チームの創造性を高める
- 画一的な評価をせず、個人の成長を重視する
- 個人の成長や挑戦を評価する
- 短期的な成果だけでなく、長期的な成長を支援する
- 個人の特性に合った評価基準を設定する
- コミュニケーションの多様性を認める
- 個人のコミュニケーションスタイルの違いを理解し、尊重する
- 一方的に指示をするのではなく、双方向のコミュニケーションを心がける
- 多様なコミュニケーションツールを活用し、個人に合った方法で情報共有する
- 柔軟な働き方を認める
- 個人のライフスタイルや価値観に合った働き方を認める
- リモートワークや時差出勤など、柔軟な働き方を取り入れる
- 自律性を重視し、個人のパフォーマンスを最大化する
多様性を尊重し、個性を活かすマネジメントを実践することで、クリエイティブな組織文化を醸成することができるでしょう。
失敗を恐れず挑戦できる組織文化の醸成
クリエイティブな組織を作るためには、失敗を恐れず挑戦できる組織文化を醸成することが重要です。
以下のような取り組みが効果的だと考えられます。
- 失敗を学びの機会ととらえる
- 失敗を否定的に捉えるのではなく、学びの機会ととらえる
- 失敗から得られる教訓を共有し、組織全体の成長につなげる
- 失敗を恐れずに挑戦することを奨励する
- 小さな失敗を推奨する
- 大きな失敗を避けるために、小さな失敗を推奨する
- 小さな失敗を積み重ねることで、大きな成功につなげる
- 小さな失敗を通じて、リスクマネジメントの能力を高める
- 失敗から立ち直る力を育てる
- 失敗してもめげずに立ち直る力を育てる
- 失敗を乗り越えるためのサポート体制を整える
- レジリエンス(回復力)を高め、困難に立ち向かう力を養う
- 挑戦を称賛する文化を作る
- 失敗を恐れずに挑戦することを称賛する
- 挑戦した者を評価し、報酬を与える
- 挑戦を奨励する組織文化を醸成する
- 心理的安全性を確保する
- 失敗してもペナルティを与えない、心理的に安全な環境を作る
- 自分の意見を言いやすい雰囲気を作る
- ミスやエラーを報告しやすい風土を醸成する
失敗を恐れず挑戦できる組織文化を醸成することで、クリエイティブな組織を作ることができるでしょう。
クリエイティブな組織を目指すには、失敗を恐れない文化を醸成することが欠かせません。
まとめ:クリエイティブ社員の性格
クリエイティブ社員の性格は、ビッグファイブ性格診断と学習目標志向性の観点から見ると、いくつかの特徴的なパターンがあることがわかりました。
開放性が高い人は、学習目標志向性の高低に関わらず創造性を発揮しやすく、外向的な人は学習目標志向性が高いとよりクリエイティブになる傾向があります。
一方、内向的な人は、学習目標志向性が低い方が創造的になるようです。
これらの特徴を理解することは、クリエイティブ社員の性格を見抜き、組織で活かすためのヒントになるでしょう。
クリエイティブ社員のモチベーションを維持し、創造性を引き出すためには、個人の性格特性に合わせた対応が重要です。
ビッグファイブ性格診断と学習目標志向性は、クリエイティブ社員の性格を理解するための有用な視点です。
クリエイティブ社員の性格を理解し、個性を活かす組織づくりが、ますます重要になっていくのです。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。