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子育てをする理想の親の性格とは?心理学の論文を解説

    子育て

    子育ては、親にとって大きな喜びであると同時に、多くの悩みや難しさを伴う仕事でもあります。

    自分の子育てが上手くいっているのか、子どもにどう接すればいいのか、悩むことは多いですよね。

    実は、そんな子育ての個人差には、親の性格が影響していることが明らかになってきました。

    海外の研究チームが行った大規模な研究「The relations between parents’ Big Five personality factors and parenting: a meta-analytic review」で、親の性格特性と子育てのスタイルの関係が詳しく調べられたのです。

    この研究では、5,853組もの親子のデータを分析し、外向性や協調性などの性格特性が、子育ての温かさやしつけ方針とどう結びついているかが明らかにされました。

    親の性格によって、子育ての仕方に違いが出てくるようですが、それはどのようなものなのでしょうか。

    子育ての悩みを抱える親も多い中で、自分の性格を知ることが子育ての助けになるかもしれません。

    今回は、この大規模研究をもとに、親の性格が子育てに与える影響について詳しく解説していきたいと思います。

    親の性格が子育てに与える影響とは?

    親の性格特性と子育ての関係を調べた大規模な研究

    子育てに親の性格特性がどのように影響するのか、大規模な研究でわかってきました。

    この研究では、30の研究から集めた5,853組の親子のデータを分析しています。

    親の性格特性と子育ての関係を詳しく調べた、とても重要な研究だと言えるでしょう。

    研究で使われた性格特性「ビッグファイブ」とは?

    研究で使われたのは、性格特性を5つに分類した「ビッグファイブ」というモデルです。
    具体的には以下の5つの特性を指します。

    • 外向性:社交的で活発な傾向
    • 協調性:思いやりがあり協力的な傾向
    • 誠実性:しっかりしていて目標志向の傾向
    • 神経症傾向:不安になりやすく情緒不安定な傾向
    • 開放性:好奇心が強く想像力豊かな傾向

    このビッグファイブを使うことで、親の性格を網羅的に捉えて研究が行われました。

    研究で着目された3つの子育ての側面

    一方、子育ての側面は主に3つに着目されました。
    それは、以下の3つです。

    1. 温かさ:子どもを受け入れ、愛情を示す子育て
    2. 行動コントロール:子どもの行動に適切な枠組みを与える子育て
    3. 自律性支援:子どもの自主性を尊重し、後押しする子育て

    これらは、子どもの成長にとって重要な子育ての側面と考えられています。
    親の性格特性がこの3つの子育ての側面とどう関連するのか調べられました。

    外向的な親の子育ての特徴

    より活発で温かい子育てをする傾向があります。

    外向的な親は、子どもとの相互作用を楽しみ、積極的にコミュニケーションを取ります。

    また、明るい雰囲気を作り出し、子育てを前向きに捉える傾向もあるようです。

    一方で、行動コントロールや自律性支援との関連は比較的弱いと報告されています。

    つまり、外向的な性格は主に子育ての温かさの側面と結びついていると言えそうです。

    協調性の高い親の子育ての特徴

    協調性の高い親は、より温かく、子どもの自主性を尊重する子育てをします。

    協調的な親は思いやりがあり、子どもの気持ちを理解しようとする傾向が強いです。

    子どもとの信頼関係を築き、子どもの自律性を大切にするでしょう。

    また、子どもの行動を受け入れ、適切な行動を優しく促す子育てができると考えられます。

    協調性の高さは、温かさと自律性支援の両方の子育ての特徴とつながりが見られました。

    子どもを思いやる姿勢が、望ましい子育てにつながっていくのかもしれません。

    誠実な親の子育ての特徴

    子育てに構造を与え、一貫したしつけを行う傾向があります。

    誠実な親は、よく計画を立て、子育ての目標を持っているでしょう。

    子どもに対して、明確な行動の基準を示し、それを守るように導くと考えられます。

    また、約束を守り、子どもに模範を示す責任感の強さもあるようです。

    誠実さは、主に行動コントロールの側面での良い子育てと関連が見られました。

    親の誠実で一貫した態度が、子どもの規範意識の発達を助けるのかもしれません。

    神経症的な親の子育ての特徴

    温かさに欠け、不安定な子育てをしがちだと示されています。

    神経症的な親は、ストレスを感じやすく、感情的になりやすい傾向があります。

    子育てに不安を抱え、子どもに強い口調で接してしまうこともあるでしょう。

    また、一貫性のない態度を取ることで、子どもを混乱させる恐れもあります。

    神経症傾向の高さは、以下の子育ての問題と関連していました。

    • 温かさが低い
    • 行動コントロールが弱い
    • 自律性支援が少ない

    親のネガティブな感情が、子育ての質の低下につながる可能性が示唆されています。

    開放性の高い親の子育ての特徴

    この性格の高い親は、子育てに好奇心と創造性を取り入れる傾向があります。

    開放的な親は、新しいアイデアに興味を示し、様々な体験を子どもに提供しようとするでしょう。

    子どもの好奇心を大切にし、学ぶ意欲を引き出す子育てができると考えられます。

    また、固定観念にとらわれず、子どもの個性を尊重する姿勢も見られるようです。

    ただし、開放性と子育ての関連については、今回の研究では一定の結果が得られませんでした。

    開放性の高さが子育てに与える影響については、さらなる研究が必要とされています。

    親の柔軟で創造的な姿勢は、子どもの可能性を広げる子育てににつながるかもしれません。

    子育てに良い影響を与える性格特性とは?

    これまで見てきたように、親の性格特性によって、子育てのスタイルに違いが見られます。
    望ましい子育てと結びつきやすい性格特性は、以下のようにまとめられるでしょう。

    • 外向性、協調性、誠実性が高い
    • 神経症傾向が低い

    これらの特性を持つ親は、子どもに温かく接し、適切な行動の枠組みを示し、自主性を尊重する傾向があります。
    一方、神経症的な親は、子育ての質が低下しやすいと言えそうです。
    ただし、これらはあくまで傾向であり、性格特性だけで子育てが決まるわけではありません。
    性格特性と子育ての関連は、複雑な要因が絡み合っていると考えられています。
    親の性格を理解することは、より良い子育てを考えるための手がかりになるでしょう。

    親の性格と子育ての関係は子どもの年齢によって変わる?

    親子の年齢が上がるほど、協調性と温かさの関係は弱まる

    親の協調性と子育ての温かさの関連は、親子の年齢とともに弱くなることがわかりました。

    幼い子どもを持つ親では、協調性の高さが温かい子育てと結びつきやすいようです。

    しかし、子どもの年齢が上がるにつれ、その関連は小さくなっていくと報告されています。

    子育てのスタイルは、子どもの成長に合わせて変化していくのかもしれません。

    神経症傾向と温かさの関係も子どもの年齢とともに弱まる

    同じように、親の神経症傾向と子育ての温かさの関連も、子どもの年齢とともに弱くなるようです。

    幼い子どもの親では、神経症傾向の高さが冷たい子育てにつながりやすいと考えられます。

    しかし、子どもが成長するにつれ、その影響は小さくなっていくと示されています。

    年齢が上がるほど、神経症傾向の高さが子育てに与える悪影響は減っていくのかもしれません。

    子育てのスタイルは子どもの年齢に合わせて変化する

    これらの結果から、親の性格特性と子育ての関係は、子どもの年齢によって変化すると言えそうです。

    特に、協調性と神経症傾向については、幼い子どもの頃ほど子育てへの影響が大きいようです。

    子育てのスタイルは、子どもの成長段階に応じて変えていく必要があるのかもしれません。

    ただし、年齢による変化の詳しいメカニズムはまだ明らかではありません。

    子育てと親の性格の関係が年齢でどう変わるのか、さらに研究が進むことが期待されます。

    親の性格と子育ての関係を考える際は、子どもの年齢を考慮に入れることが大切だと言えるでしょう。

    親の性格が子育てに与える影響の大きさは?

    性格以外の要因も子育てに影響する

    子育てには性格以外の様々な要因も影響することが指摘されています。
    例えば、以下のような要因が挙げられます。

    • 社会経済的地位
    • 夫婦関係の質
    • 社会的サポートの有無
    • 子どもの気質

    これらの要因も、親の子育てのスタイルに影響を与えると考えられています。
    親の性格は子育てに影響する一つの要因ですが、他の要因との相互作用も無視できません。
    子育ては複雑な営みであり、親の性格だけでは説明しきれない部分があるのかもしれません。

    性格特性を組み合わせることでより大きな影響がある可能性

    ただし、性格特性を組み合わせて考えることで、子育てへのより大きな影響が見えてくる可能性があります。

    今回の研究では、性格特性を一つずつ取り上げて子育てとの関連を調べています。

    しかし、実際には複数の性格特性が組み合わさって、子育てに影響を与えているかもしれません。

    例えば、協調性と誠実性がともに高い親は、より温かく一貫した子育てができると予想されます。

    性格特性の組み合わせによる影響については、まだ十分な研究が行われていません。

    性格が子育てに与える影響の大きさを正確に理解するには、さらなる研究の蓄積が必要とされています。

    親の性格が子育てに与える影響についてのまとめ

    親の性格は子育ての個人差に影響する重要な要因の一つ

    これまで見てきたように、親の性格は子育てのスタイルに一定の影響を与えています。

    外向性、協調性、誠実性が高く、神経症傾向が低い親は、より良い子育てをする傾向が見られました。

    親の性格特性は、子育ての個人差を生み出す要因の一つと言えるでしょう。

    ただし、その影響力は他の要因と比べて決して大きくはありません。

    子育ては親の性格だけでなく、様々な要因が複雑に絡み合って営まれていると考えられます。

    それでも、親の性格を理解することは、子育てを多角的に捉えるために重要だと言えます。

    望ましい性格特性を持つ親は温かく構造化された子育てをする傾向がある

    望ましい性格特性を持つ親は、子どもの成長に良い影響を与える子育てをしやすいようです。
    具体的には、以下のような子育ての特徴が見られました。

    • 子どもを温かく受け入れる
    • 子どもの行動に適切な枠組みを与える
    • 子どもの自主性を尊重する

    これらの子育てのスタイルは、子どもの健全な発達を促すと考えられています。
    親の性格を知ることで、子育てをより良い方向へ導く手がかりが得られるかもしれません。

    ただし、性格の影響は子どもの年齢によって変化する

    ただし、親の性格が子育てに与える影響は、子どもの年齢によって変化することが示唆されています。

    特に、親の協調性と神経症傾向の影響は、子どもが幼いほど大きくなる傾向があるようです。

    子育てのスタイルは、子どもの成長に合わせて変えていく必要があると言えるでしょう。

    また、子どもの年齢によって、親に求められる性格特性も変化していくのかもしれません。

    親の性格と子育ての関係を理解するには、子どもの発達段階を考慮に入れることが大切です。

    性格以外の親の特性も考慮に入れる必要がある

    最後に、子育てを理解するには、親の性格以外の特性も考慮に入れる必要があります。 例えば、以下のような親の特性が、子育てに影響を与えると考えられています。

    • メンタルヘルスの状態
    • 子ども時代の愛着体験
    • 子育てに関する知識や技術

    これらの特性も、親の性格と同様に、子育てのスタイルに影響を与えると予想されます。

    親の性格は子育てを理解する上で重要な要因ですが、それだけでは十分ではないと言えるでしょう。 子育ては親の人格全体から生み出される営みであり、多面的に理解する必要があります。

    親の性格を手がかりとしつつ、他の特性との相互作用を考えることが大切だと考えられます。

    最後に

    今回は、親の性格が子育てに与える影響について、大規模な研究をもとに解説してきました。

    親の性格特性、特に外向性、協調性、誠実性の高さと神経症傾向の低さが、温かく適切な子育てと結びつきやすいことがわかりました。

    一方で、親の性格の影響力は、他の要因と比べて決して大きくないことも明らかになりました。

    子育ては、親の性格だけでなく、社会的な環境や子ども自身の特性など、様々な要因が絡み合う複雑な営みだと言えます。

    ただし、自分の性格を知ることは、子育ての向上に役立つ重要な一歩だと考えられます。

    自分の性格の強み・弱みを理解し、子どもの成長に合わせて子育てのスタイルを変化させていくことが大切でしょう。

    ※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。言語IQ124。