• Tokiwa Eisuke

起業家の理想主義と現実主義


起業家と投資家の中には確実に「村」がある。村とは一つの思想でまとまった排他的な集団もしくは場所という意味だ。村にはもちろんいい側面もあれば悪い側面もある。


悪い面は意味通りなので簡単で、違った思想・価値観を受け入れることが少なく、集団の構成員に多様性がないことだ。いい意味は同じ思想によって共感し、強いエネルギー・熱狂が生まれ、投資やスピード、お互いの様々な支援が疑いなく加速されることだ。


村を2つに大きく分けると現実主義と理想主義に分けることができる。これら2つの定義は政治学で考えることもできるが、俗な意味・ニュアンスは以下のようになる。

現実主義:顧客の性格や欲求、過去の事例、確率の高さを前提にして適応すること 理想主義:顧客や製品、会社のあるべき姿や社会の理想から逆算して実現していくこと

さらに現実主義と理想主義の意味に合わせて、起業するうえでの戦略は大きく変わってくる。


現実主義


ビジネスモデル重視:早く最低限儲けることができる仕組み構築。最近ならサブスクリプション、ちょっと前なら広告など。 流行事業:投資されやすく、メンバーも集めやすく、分かりやすい事業。最近ならB2B SaaS、ちょっと前ならメディアやソシャゲ。 顕在化ニーズ:10人中8-9人が欲しいと言う商品・サービス。多くの競合が発生する。成長モデルは中小企業に近い(売り上げに対してマーケ費や人件費がかかりつづける)。 誰でもできる技術:Webやアプリなど、勉強したらすぐに誰でもプロトタイプが作れて、失敗しても他の事業に転換しやすい。


経営:自分以外は基本性悪説、悪いことが起きることを前提にする、全て経営者次第、マイクロマネジメント、オフィスに集まる、まずお金をしっかり儲ける


理想主義


デカコーン:GAFAやBAT、少なくともUberやAirbnbレベルの企業価値をもたらす成長。 潜在ニーズ:現在は10人中1人しか欲しいと言わないが、将来的に10人中9人が欲しいと言い、そのタイミングには競合が入ってこれなくなっている状態。 難しい技術:1人の天才的なエンジニアや科学者、発明家が独自の理論・設計によって作り上げた技術。真似はとても難しい。 社会性:なくてもいいサービスではなく、ないと人権レベルで困るサービスを提供すること。資源問題や医療などの解決。


経営:性善説で信頼のある組織、組織はフラット、原体験がある、リモートワーク可能


もちろんこれらはどっちかだけが大事というわけでもなく、もちろんどっちがいい悪いでもなく、どちらも大事なのだが(公にはみんなどっちも大事だというのだが)、実際のところどっちかだけが大事にされていることがとても多い。


少なくとも僕は両方大事にしている起業家・投資家にしか興味がない。現実(主義)とはあくまで手段であり、理想(主義)とはあくまで目標である。理想をかなえるために現実を理解するのだ。ネガティブな現実主義ではなくポジティブな現実主義だ。