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  • Tokiwa Eisuke

学校の先生と生徒の運命を変える学校変革システム「サンブレイズ」

更新日:2022年12月5日

去年6月から少しずつ進めてきた事業がだんだん形になってきたので、そろそろ紹介したいと思います。


未来ではなく、今すぐ必要な教育

私自身、大学から10年間ずっとIT業界(ベンチャー・中小・大企業まで)にいまして、教育業界にきたのはこの1年間で初めてでした。


そしたらもう驚きの連続でした。僕の常識は通用しないほどに異世界に転生してきた気分でした。


例えば、いまどきYoutubeで調べれば面白い授業動画はいくらでも出てきます。私も良く好きで見ますが、数学はヨビノリの動画でいいのではないかと思います。


また、教育経済学の知見からいえば、学力(知識)だけを鍛えても将来賃金に相関はなく(影響せず)、重要なのは非認知能力(メタ認知や粘り強さ)を鍛えることで学力にも将来賃金にも影響を与えうります


この2つを知っていたらもっと授業内容は変わるはずですし、それ以前に、今あるいくつかの仕事が20-30年後なくなっている可能性が高い、ということを知れば結果的に学力・偏差値・学歴に偏った授業に危機感を持って変えるんじゃないかなと思います。


文科省も新学習指導要領を出したりして頑張っているのだと思いますが、実際生徒は学校に行く意味を感じることができず、その最たる現象として「不登校」「通信制高校進学」「東大生の休学」に現れて、個々人で好きな時間を過ごすことにしているわけです。


では学校はこのままでいいのでしょうか?いいわけありません。


非認知能力で重要なのは「ひとりでは伸ばしづらい」ということです。そこで学校の先生は今までとは全く違う授業や指導を行うことが重要になってきます。


今の時代にあった教育を行う学校へ変革せよ

企業も販売する製品・サービスをデジタル化させることで、人事評価や働き方、必要な人材が変わります。これをデジタルトランスフォーメーション(DX)と言います(もっと知りたい方はこちら)。


学校も同じです。今まで学校は学力(認知能力)を上げる場所でしたが、これからは非認知能力を上げる場所です。


つまり学校としてのサービスが変わることで、成績評価や働き方(校務)、必要な人材が変わります。これをスクールトランスフォーメーション(SX、学校変革)と私は呼んでいます。


事実、学歴においても重要な大学入試において、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)での入学者の割合がどんどん増えており(出典)、私大においてはすでに半分以上になっています(出典)。

もちろんただ受かりやすいというだけで推薦&総合型で受験してしまっては、認知・非認知も意味がありません。しかし、入学者が増えるということは、競争も増えるということです。


その競争に勝ちやすいのは、一人で色々模索できる生徒か、誰かに助けてもらいやすい生徒であり、後者に関して学校間の競争が起きてきます


ただし、現実は厳しいです。まず急に今の先生方に新しい指導をしてほしいと言ってもなかなかできません。それは仕事量が多すぎるということと、知識・能力が足りないということがあります。


仕事量を減らす意味でも、知識・能力を補完するという意味でも、実際8割の学校に導入されている校務支援システムが本来なら使われてほしいのですが、上手く行っていないのは明らかです。


そこで私は「学校変革システム」を開発しようと決めました。少しでも変わりたいと思っている学校や先生が、少しでも負担なく学校変革することで、生徒に今の時代にあった教育を提供できるようになることを目指します。


(1)まず今の学校の先生の仕事を減らす

「学校の先生が生徒一人一人の個性を見る」なんて時間は今存在しません。最近やっと有名になってきましたが、学校の先生は過労死ラインの労働時間です


ではどの仕事が多いのか。7月に発売された東洋経済の「学校が崩れる」では以下5つが紹介されました。

これらはバラバラの仕事に見えますが、実はかなり密接に繋がっており、それを知らなければ、適切なシステム提供は行えません。


私自身、学校の先生の仕事を徹底的に調べ、A3用紙4枚にまとめ、そこからそれぞれの仕事の関係性を現場の先生方にヒアリングしてきました。それをまとめたのが以下です。

まず1位の「書類作成などの事務」ですが、上記のまとめをご覧いただければ紙になりそうなものが多いことが分かります。


その一つが帳票と呼ばれるものです。例えば一番多くの人にとって分かりやすいのが通知表です。


では通知表の5段階10段階の数字はどこから出てくるのか。例えば、中間期末の500点÷5×7割+小テストなど100点×3割で計算します。


ここでさらに分かるのは、中間期末の採点や小テストの採点が必要だということであり、それらが紙で、かつ生徒の人数分あるということです。


この作業のことを「成績処理」と言います。


この成績には出欠席も考慮されます。では出席はどのように記録されているのか。それは出席簿という同じく紙です。しかも毎回の授業で確認をしています。


毎回の授業で確認をする、ということは時間割に紐づいています。コロナの影響でデジタル化が進み、出欠席の連絡を電話ではなくLINEやGoogleフォーム、校務支援システムで行っている学校もあるかもしれません。


しかし出欠席の1日の連絡を受けたとしても、その日の時間割それぞれに記録が必要です。またここでも仕事が発生します。


こう見てみると通知表や調査書といった成績書類を出すだけでも生徒情報が多岐にわたっているのが分かります。


私はここで「まず時間割を自動作成しよう」と思い至りました。


実際に学校から時間割作成のための様々なデータをいただき、2022年3月末に3校と実証実験を行いました。その内の1校が教育新聞にでまして、実際の作業の9割が削減されました。


実証実験の結果をふまえて5-8月に時間割作成システムの開発を行いました。以下がその簡単な動画になります。現在引き続き各学校からフィードバックをいただき追加の開発を行っています。

時間割が登録できると出欠連絡はすべて授業ごとに勝手に集計することができます。これで出欠の集計は不要になります。ちなみに既存の時間割作成システムには出欠連絡はついていません。


現在さらに検討しているのは成績関連の帳票の自動作成です。日々採点の入力を行うだけで、自動で計算され、帳票に反映されるというものです。生徒に入力してもらってあとで先生が確認だけ行ったり、Webテストを導入したりすればもはや先生は入力不要です。


ちなみに上の多い業務ランキング2位の「保護者対応」のなかには「なぜうちの子がこの成績なのか」という確認の連絡も存在しますが、成績処理が自動化され、その過程が保護者にも共有されていれば、そのような連絡を減らすこともできます。


1位の書類作成、2位の保護者対応の両方に関係するのが「連絡」です。例えば案内のプリント(書類)を作成して、それを生徒を通じて保護者に渡す。


この連絡もとてもデジタル化しやすいもののはずですが、学校関係者は多岐にわたります。校長・教頭などの管理職、教員、事務員、常勤と非常勤、生徒は学年とクラスごと、グループワークがあればグループごと、部活・生徒会・委員会、外部になるとPTAなど。


それぞれに柔軟な連絡の設定が必要になりますが、それができるものはありません。ここでIT業界の人ならすぐ思いつくのはSlackです。Slackは柔軟に連絡グループ(チャンネル)が作れることが売りです。

私もすぐに「Slackは使わないんですか?」と聞いたことがあります。そうすると「保護者にこの画面は使いづらい」と言われたことがあります。そこで「フォーマルSlack」というSlackの10%の機能と柔軟な設定機能をふまえて開発しました。


こんな感じでひたすら先生へのヒアリング→UIモックの作成→先生からフィードバックをもらう→エンジニアと開発→実際に見てもらってフィードバックをもらう、ということを繰り返しています。


「顧客からの声を聞きすぎてはいけない」というのは大企業の新規事業の失敗例であり、馬車しか知らないビジネスマンが馬車の改善案をヒアリングしても、「良い馬車」しかできません。


ただし、蒸気機関を知っているエンジニアが馬車の改善案をヒアリングすれば自動車ができるのです。ユーザーが真に求めているものは何かに注意しつつ、最新の技術でどこまでできるのかを見極める、これを大事にしています。


(2)非認知能力を鍛える教育をサポートする

先生の仕事時間を減らせたら、次は生徒の非認知能力を鍛えたい学校や先生のサポートです。


非認知能力を鍛えるにあたって重要なスキルの一つはコーチングです。コーチングとは「対話を通じて相手の内面にある”答え”を引き出す関わり方」です。教師(Teacher)の「答えを教える」の真逆になります。


具体的な言葉としては、

「1年後どんな風になっていたいですか?」

「1億円が手元にあるならどうしますか?」

「取り組んでいる自分を想像して一番ワクワクしそうなのは?」

「どういうきっかけで?/ 何がそう思わせるのか?」


他にも色んな質問がありますが、こうすると普段おさえていた本当の気持ちを思い出すようになり、モチベーションの源泉を見つけることができます。


これを先生が面談で生徒に聞くのでもいいですし、生徒にアンケートを送って答えてもらってもいいでしょう。また探究の授業や行事の前後に聞き出して、記録することで生徒の変化が可視化されてきます。


その記録先としてeポートフォリオという機能を開発しています。SNSのプロフィールのようなデザインと、アコーディオンという機能を使うことですっきり整理させています。

アンケートや先生のコメントをここに載せることも可能です。あらゆる個人に紐づく記録を表示・非表示にすることができます。


このeポートフォリオに表示されたキーワードをAI(機械学習の自然言語処理)が分析をして、各生徒やクラスがいつどんなキーワードを入力したのか集計して、先生が確認することができます。



さらにそのキーワードをもとにして、ネット上の記事を紹介する機能も開発しています。今はPR Timesのビジネス、テクノロジーのみを表示しています。

もちろん学校によっては「生徒に変なものを見せたくない」ということもあるので非表示設定も可能ですが、生徒からすれば様々な社会の情報に触れることができます


ゲームの最新情報が流れてきても「eスポーツの大会」だとか「メタバース・Web3」だとか社会とのつながりを感じることもできます。


関連キーワードを集計することで、各学年や各クラスがどんな関心の傾向にあるのかも分かる機能も開発しています。例えばこのクラスは医療系のキーワードが多いなどです。実際どこまで傾向が出るかはわかりませんが笑。


コーチングによって将来の目標を意識し、その目標をどうやったら達成できるか管理できるといいです。


最近は「OKR」というインテルが開発してGoogleなどが使っている人事制度があります。このツリー構造での思考法も、生徒の普段の勉強にとても使えると思っています。


上記のツリー構造を以下のように整理して使うことができます。将来的にはツリー構造でも閲覧できるようにしていきます。


このように様々なツールの開発をしていますが、「ツールがあっても知識がないと」と思われるかもしれません。


そういった方に対しては、私のほうでYoutubeの無料&優良コンテンツを厳選して紹介します。例えば以下ですが、管理職からすればこの動画をみてどう思ったか、などの感想を教職員に弊社システムに記録してもらうこともできます。


(3)学校外より新たな先生を呼んでくる

ここまでは現在働いてる学校の先生をサポートするためのシステムでした。ただ、業務が多いランキング3位の「部活動」のように、そもそも人手が足りないという問題もあります。


教育業界に来るまで、学校はとても閉鎖的というイメージがありました。というのもどこから連絡したらいいか分かりません。そもそも連絡していいかも分かりません。


一方で、色んな学校を渡り歩いてる人がFacebookで「今度学校で話したい人!」と募集するとすごい人数が集まってきます。教育に興味がある人は結構います。


ということで学校を基点にしたマッチングプラットフォームの開発も検討しています。学校側の足りない人材もそうですが、生徒側の学校横断で友達になりたい人や一緒に部活をやりたい人を見つけてもいいと思います。


この1年間の実績や成果など

ここまで来るのに、学校は42校(私立27校、公立15校)ヒアリングをし、実証実験は7校と行ってきました。その都度、先生方からフィードバックをいただき、機能を改善させています。


2022年5月には未来の先生Radio、8月には未来の先生フォーラム2022にてお話させていただきました。


アマゾンAWSの公共分野イノベーションに取り組むスタートアップ向け支援プログラムAWS Startup Ramp 1st Batchにも採択され、公立学校の現状やセキュリティ面のノウハウについて共有いただきました。


8月にはここまでの成果からエンジェル投資家5名より2000万円のご出資をいただき、うち1名の方は村田チョートという奨学金の設立者です。


ここから来年3月末までヒアリングと実証実験をしつつ開発を行い、上記1番と2番のできる範囲で提供していきます。エンジニアは現在4名いますが、うち1名はAI研究者の松田雄馬さんです。


今年度は引き続き無料トライアルにしていますので、ご興味のある学校・先生方はぜひともご連絡いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。


またこちらに私の教育観も紹介させていただきます。

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